kufsnkkの日記

NKKメンバーがお届けする、日本語教師の日々をつづったブログです。

【連載】第12回 海外で日本語教師 金居明生さん(韓国)

みなさん、こんにちは。広報局長の福田です。

久しぶりの投稿となる、大人気の日本語教師の連載記事です。

今回は私の大先輩にあたる、日本語学科一期生の金居明生さんです。豊富なご経験のある方で、国内外での教授経験はもちろん、学期休みには色々な場所に旅をされている旅人の一面もお持ちです。

 

それでは、どうぞ!

 

私は京都外国語大学日本語学科に入学をしてから現在まで約20年、国内・海外の教育業界と出版業界で、日本語教育、外国語教育そして国際貢献・協力に携わってきました。

学部生3年時に中国の広州外国語大学で初めて教育実習として日本語を教える機会を持ち、日本語教師に将来なりたいと強く思い始めました。また大学卒業後にはアメリカ・オレゴン州高等教育機関にて日本語プロジェクト(会話能力の試験監督として州内を巡回)に関わったり、大学院生時代に日本在住の研修生、留学生、外国人児童などに日本語を教えたり、韓国の大学・語学学校(慶北大学・建陽大学・弘益大学・朝鮮大学など)、や立命館アジア太平洋大学言語教育センターでの日本語講師の職を経た後、JICA日系社会ボランティアの日系日本語学校教師としてブラジル・サンパウロ州にある日本語学校で日本語指導・日本文化の伝承にも努めました。中国、アメリカ、韓国、ブラジルでの体験は私の世界を大きくしてくれ、海外での日本語教育の現状も知ることができました。出版業界においては、凡人社の大阪営業所・東京本社にて、営業・企画を中心として働きました。訪問した機関は全国にある大学内の日本語教師養成機関や留学生センター・留学生別科を始め、日本語学校・地域の国際交流協会など様々でした。そして日本語教育学会などで展示販売をしたり、現場の日本語教師に対して、著者の先生方に教材の活用法を宣伝していただく日本語サロンを企画したり、先生方や編集者と協力して良質な日本語の教科書や専門書を出版できるように力を尽くしました。

 よりよい言語教育を提供するための努力も絶えず行ってきました。試行錯誤しながら学習者にとって最善の教材、授業、教授法を常に考え、立命館アジア太平洋大学在職時には経済産業省が始めた九州アジア人財プログラムも担当し、社会人時代の経験を活かしビジネス日本語を留学生に指導しました。彼らは現在日本国内や海外で立派に成長し活躍しているようです。また共著で初級日本語のテキスト作りにも携わりました。テキスト作りを現場で同僚の先生方と試行錯誤しながら行った過程はとても貴重なものであり、学生のニーズにあった良い教材は何かを考える良い機会になりました。またミャンマーヤンゴンにて日本語学校の立ち上げにも関わり、ミャンマー人にビジネス日本語を教えたり、ミャンマー人新人教師の育成に努めたりもしました。

その後オックスフォード大学出版局でELTコンサルタントとして国内の英語教育の普及に貢献できるよう各教育機関を訪問して英語教師の方々に教材の紹介などもしました。

 昨年末韓国にある朝鮮大学外国語学部日本語科での仕事を辞め、地元大阪に戻り今春4月から母校にある国際貢献学部で非常勤講師として週に一度留学生に日本語(会話・読解)を教える予定です。

以上私の今までの履歴について述べました。この文章を読んでいる皆さんは現在日本語教育に携わっているか、興味を持って学習・研究をされていると思います。私が日本語学科を卒業して23年、その後日本語教育の状況は大きく変わってきました。

日本語教師という仕事は日本社会ではまだまだ認知度も安定度も低く課題も大きい業界ですが、外国人観光客、または外国人在住者の増加と共に一般的にも注目され始めています。それに伴い日本語学習者も大幅に増え、以前よりも教師の待遇も少しずつ良くなってきています。また現場で教えているとやりがいも多く、異文化と常に接しているので自分自身にとっても学びが多い仕事だと思います。ですから皆さんもチャレンジ精神を持って前向きに進めば必ず道が開けていくはずです。

京都外国語大学日本語学科から広い世界へ!

 

 

 

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金居さんと韓国の朝鮮大学日本語履修学生さん

 

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朝鮮大学のキャンパス風景

 

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朝鮮大学の建物

 

 

 

 

金居さんはこの春から、京都外国語大学国際貢献学部と大阪大学日本語日本文化センターで教えられるそうです。

金居さん、貴重なお話を本当にありがとうございました。