kufsnkkの日記

NKKメンバーがお届けする、日本語教師の日々をつづったブログです。

【連載】第16回 海外で日本語教師 志摩由美子さん (タイ)

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学生と志摩さん(中央)


今回はタイからの投稿です。志摩さんは学部卒でタイへ渡ってから、その後タイ・チェンマイの大学院で修士を取得されました。

タイでの生活も10年になるそうです。

それでは、どうぞ!

 

 

私はタイのチェンマイにあるチェンマイラチャパット大学で専任講師をしています。先に勤めていた日本語学科の先輩が、後任を探されていてタイミングよく就職することができました。こちらへ来て早10年になります。就職した当時は、学士でも問題なかったのですが、年々採用条件が厳しくなってきており、私は2年前にチェンマイの大学院で修士を取得しました。


チェンマイは、バンコク程暑くもなく過ごしやすい土地です。古い町並みが残っていて、京都にも似ています。気候や土地柄もあってか、のんびりした人が多く、学生も、将来のビジョンがはっきりしていなかったり、競争心も高くなかったりするので、学習意欲を高めさせることに苦労しています。


チェンマイラチャパット大学は、地域のための総合大学で日本語に関しては、学生数は北部タイ最多です。1クラス30~50人で、各学年2,3クラスあります。タイでは高校での日本語教育が盛んになってきているので、一年生の8、9割は既習者です。その年の割合次第で既習者と未習者を同時に指導する年もあれば、クラスを分けて指導する年もあります。「みんなの日本語」を使用し、タイ人教師が文法、日本人教師が会話を担当しています。その他にも、漢字、作文、聴解、読解などの基礎科目、学年が上がると「サービス日本語」「ガイドの日本語」「ビジネス日本語」など、専門的な科目も教えます。

 

また授業以外の活動も多いです。「日本祭」というイベントでは、日本語に関するコンテスト、コスプレ、カラオケ、折り紙コンテストなどをしたり、書道、茶道、浴衣の着付け、囲碁などの文化コーナーを設けて文化を広める活動をしています。それ以外にもスピーチ大会の指導や引率の仕事もあります。年に数回日本の提携大学から短期研修に来る日本人学生との交流をサポートする仕事もあります。授業より活動やその他の仕事の方が忙しかったりもしますが、活動を通して学生一人一人を知ることができ、一緒に泣いたり笑ったり、とても感動の多い仕事です。ただの語学教師ではなく、家庭の悩みを聞いたり、進路相談を受けたり、恋愛の話をしたり、色々な面で頼られることも多く、今後も続けていきたいやりがいのある仕事だと思います。

 

 

海外での仕事は、教える以外の仕事もあって大変そうですが、その分学生との繋がりは深くなるように思います。

志摩さん、ありがとうございました。