kufsnkkの日記

NKKメンバーがお届けする、日本語教師の日々をつづったブログです。

【連載】第15回 海外で日本語教師 浦井智司さん (中国)

今回は前期修士課程を2016年度3月修了(2017年3月修了)され、現在は国際交流基金日本語専門家として、北京日本文化センターに所属されている浦井智司さんをご紹介いたします。


 「母語を教えるのは素敵な仕事だよ」と高校生の頃、ネイティブ英語教師に言われたのがきっかけで日本語教師を目指すことになりました。京都外大とは別の大学でしたが、副専攻で日本語教育について勉強し、卒業後個人契約としてタイで働き始めました。

 タイでは中学1年生から高校3年生まで、多種多様なクラスに対し、試行錯誤し、失敗することがありながらも楽しく2年間を過ごすことができました。滞在中に青年海外協力隊の方とのお話に感化され、協力隊の試験を受けてみました。縁があって、翌年から中国の内モンゴル自治区に派遣されることになりました。
 タイから内モンゴルへは、生活面で大変な変化でしたが、仕事面では大学派遣だったこともあり、できることが増え、成長できたように感じます。より「ネイティブ教師」を実感できました。
 派遣終了後は国際交流基金日本語専門家になりたいと考え、修士号を取得するため京都外国語大学に進学を決めました。在籍中は大阪の日本語学校で非常勤講師をし、留学生への日本語教育も経験できました。
 そして、在籍中に運よく合格することができ、修了後からJF北京日本文化センターに派遣されています。今は教師研修会やシンポジウムを主催したり、学会に顔を出したりしながら今までとは違う形で中国全体の日本語教育のサポートに携わっています。
 中学生、高校生、大学生、留学生、現地日本語教師と様々な方に対して働いてきました。それぞれ少しの期間かもしれませんが、それぞれが有意義な時間でした。北京の次は日本語教師を目指す日本人学生が対象となる…かもしれません。
 その目標のため、まだしばらく北京にいますが、2019年4月からは博士後期課程にも籍を置きます。研究テーマは私の日本語教師になるきっかけとなった「ネイティブ教師」に関してです。
 ただ国や職場を変えるだけでなく、仕事内容や派遣元、対象が変わると見えてくるものが全然違います。これも日本語教師の楽しみかもしれません。
 どこかのシンポジウム等でお会いできればぜひ声を掛けてください。