「ことばの教育」の講演会へ参加
NKK広報のとものです。
日本語学科の編入組です。卒業後は外大の院へ進学。
今は日本語学校で教えています。
私もこれから日ごろの活動や授業についてちょこっと書いていきますので、よろしくお願いします。
7月14日、外大で第1回勉強会と大学院公開講座が行われている時、私は東京。
東大とほど近い郁文館夢学園を会場に開かれた「ことばの教育」主催の講演会へ。
一般社団法人「ことばの教育」について簡単にご説明しますと、
国語教育、英語教育、日本語教育に関わらず、
ことば自体と教育について考えることが重要でると考え、
ことばの仕組みと働きについて認識をし、
ことばと教育について議論できる体制づくりと普及を目指す会です。
今回のテーマは『英語教育、迫り来る破綻』でした。
今年の春に発売された同題の本の発売に合わせ開かれた講演会です。
焦点は、
自民党が提言をした、大学入試にTOEFLを義務化する案や、
小学校英語の教科化、そして中学校での英語授業を英語で行うという案に対して
英語、言語教育、教育学のトップにいる先生方が異議を唱え、いかにそれが無益(むしろマイナス)で、
本来とらなければならない策とは何であるかということでした。
300人収容の講堂は満員。講演会の数日前には予約ができなくなりました。
まず会自体について面白いなと思ったことは、
①専門領域が違う先生方が1つの目的のために声をあげていること
②会の開始前に非常時の対応について丁寧に説明があったこと
③開催場所が高校だったので、高校生とそのOBがオーディオ機器や会場設備にあたっていたこと
④質疑応答のやり方、討論会のやり方を前に出てその場で決め、会場のみんなにも確認をしていたこと
いつも日本語教育関係の学会ばかり出ているので、あれが普通だと思いがちですが、
要領よく、わかりやすく、そして楽しく、という出ていて気持ちのいい会でした。
内容について、興味を持ったこと(なるほどと思ったこと)は
江利川先生(和歌山大教育学部)の発表から
①2014年4月8日自民党教育再生実行本部が
「結果の平等主義から脱却し、トップを伸ばす戦略的人材育成」を提言
→みんながわかるように、できない子を作らないように、という教育ではなくなってきていること。
そして教育の目的が人格の形成や世界の平和に寄与できる人を育てることとしている教育基本法から離れ、
「トップ」の人材を育てる人材育成になってきている。
②予算が無い
→政府がTOEFLを大学入試に義務化する案、中学校での英語授業を英語で教える案
などなど出しているにも関わらず、教育予算は財務省の反発で先送りにされたそうです。
しかし、この計画自体は進むことに。
その結果、OECD主要国36カ国中日本の教育への財政支出の割合はなんと最下位です。
あ、こんな書き方をしていたら終わりませんね。発表者は4人もいたのに^^;
と、いうわけで、日本語教育の専門でも興味のある内容ですよね。
聞きたい!と言われたら、どこかの機会に(忘れる前に)せっかく聞いてきた内容をお伝えしたいと思います。